【短編】極上ヴァンパイアたちは薔薇乙女を溺愛中
極上の愛に溺れて
　寮で目が覚めたときには一通りのことが終わっていた。

　小屋へは律さんだけでなく他の《Luna》のメンバーも助けに来てくれていたらしくて、四対一で満くんが敵うわけがなくすぐに拘束されたのだとか。

　早急に退学手続きもされ、もう満くんに会うことはないだろうと談話室で説明を受けた。


「いやー。満って実は腹黒だし、二人きりにするのは危ないんじゃないかってちょっと思っただけだったんだけどねー」

　まさかあんなルール違反するとは思わなかったよ、と咲さんは軽い調子で笑う。

　何でも、潤くんと沢くんから私が満くんと二人きりでいることを聞いた咲さんが、気をつけた方がいいかもって言い出したらしい。
　満くんの本性が黒いって何となく勘づいていたみたい。

　そして念のためみんなで私を探しに行ったところ、律さんが小屋から強いバラの香りが漂っていることに気づいた。

　律さんは私がヴァンパイアの血に反応して薔薇乙女の目になっていることを察して、すぐに助けに来てくれたらしい。
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