ヴァンパイアガールズ
小さい頃,どれだけ朝を寝て過ごしたか。

どんな質のどんな血を,どれだけ摂取して過ごしてきたか。

などなど,らしいといえばらしいと言う基準で大きく変わるらしい。

肥ること無くもりもり食べてすやすや眠り育った美海は,皆が憧れる程運動神経が良く,あっさり後半組だった。

シュウとハルも……

吸血よりも缶詰みたいに取り置きした献血を飲んでいたはずなのに,生まれもった素質だけで後半組にいる。



「大丈夫? 浅海さん」

「うん,大丈夫だよ」



私は突然声をかけてきたクラスメートに,にこりと笑った。

いや,本当に大丈夫なんだけど。

彼女には本当に悪いことをしていると思う。

眉を下げて声をかけたのは,とびだせ ボールさんだ。

一緒にいるのは,きらりと 輝くさんに,三回回って ワンさん。

彼女たちは幼馴染みでも三つ子でもなんでもなく,名前の通りただセンスの似通った仲良しさん達だ。

彼女達がわざわざ声をかけてくれる理由はただ1つ。

私のことを,貧弱体質だと思っているからだ。
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