ヴァンパイアガールズ
「まず,特待生のクラスをヴァンパイアと合同に変えろ。浅海は特待生と同等の頭があるから,特待生の身分に変更して,全教師に伝えた後,俺をヴァンパイアとして浅海と同じクラスにねじ込め。そんで,2度と人間やヴァンパイアに同じ真似をしようとするな」

「そ,それくらいなら,もちろん。だ,一生黙っててくれるなら,君達の事に口はださない」

「手もだすなっていってんだろ」

「わ,分かってるよ」



完全に上下が逆転してる。

傍観しながら,遅れてちはやの言葉の意味を理解した。

私を,正攻法で……

システムを変えてまで,私を私としてあのクラスに置こうとしてくれてる……?

それに,学園長が頷いた……?

ボールさんや輝くさん,ワンさんは怒るかもしれない。

でも,生粋のヴァンパイアである彼女達なら,直ぐに興味をなくし,全てどうでもよいことへ変わっていくような気がした。

嘘で心配をかけたことを悪くは思うけど,伊達にクラスメートをやっていない。



「……え,私,ここにいていいの?」



居場所があっていいの?



「浅海が聞いてんだろ」「浅海が聞いてるでしょ?」



ぎゅっと私にくっついて,美海がちはやとほぼ同時に声を出す。

その声や瞳が暗く,私はどきりとした。



「あ,ああ。目立った問題さえ起こさなければ,学園は君を卒業まで見守ろう」
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