ヴァンパイアガールズ
全てが,ひっくり返る。

ここまでくると,逆にどう反応したらいいのか分からなかった。



「浅海,僕,やっぱり浅海の事が好きだけど」

「ハル……」

「僕じゃ,最初からだめだったね。人間もヴァンパイアも関係ないのに……ちはやは僕とは違う。家柄だってあって,誰より分かってるのに。少しも考えること無く浅海を選んだんだ」



ちはやは私を引き寄せて,ハルと引き離すように後ろへ下がる。

ずるずると引き摺られる私は,腰を三角に折って首に回る腕に手を添えた。



「当たりめぇだろ。なんでヴァンパイアの俺がそんなとこだけ他のヴァンパイアの意見を採用しなくちゃいけねぇんだよ」

「まぁ,そうなんだけどね」

「……義務教育の敗北……ちはやがひねくれものじゃ無かったら,今頃浅海は私のものだったのに」



美海のムスッとした呟きに,ちはやはケッと笑う。

その一切遠慮しなかった友達への態度へ,考え直した方がいいかななんて思った。



「本気なのか,君。本田浅海は人間だ,知っててそれでも俺のものなどと……つまりは……君の親は許すのか,君の父親はそうは見えないが」



負け惜しみのように,ぎりぎりと歯を噛み訴える学園長。

すごい度胸だと感心する。
< 102 / 111 >

この作品をシェア

pagetop