ヴァンパイアガールズ
命は分からないけど,取り敢えず身体拾いをしたようで。
私はいつもと違う心地で,学校へと向かった。
誰も彼もが私を見ているような気がするのに。
珍しく学校の入り口にいた教師に緊張したりもしたのに。
結局は全部,私の勘違いだった。
「はよ,浅海,昨日ハルをふっ……………。ハルに何か言ったりしたか? なに言っても元気ねぇんだけど。……?」
びっ……
「もう!!! びっくりしたでしょ??!!!」
逆ギレとも呼べる驚きように,今度はシュウが目を丸くする。
緊張の中で突然話しかけられたこと,それがいつもと何ら変わりない様子だったこと。
全てに涙がにじむ。
「わ,わるい……それで,ハルの事なんだけど」
「なにも言ってない」
変わったのはハルだけなんだと,ぎりぎり聞き取っていた直前の会話で察する。
もちろんその理由も知っていたし,確かになにも言わなかったけど,何もなかったかと言われれば嘘になる。