ヴァンパイアガールズ
「シュウ,それ,どうするつもり?」

「鞄はやっぱべたべたになる?」

「さあ」「なるんじゃない」



シュウは美海とハルの反応を見て,嫌そうな顔をした。



「めんどくさ」

「私が言いたかったのは,クラスには捨てないでねってこと。見つかったら見せしめに切られるんじゃない」



どいつもこいつもどうせ再生すると思ってるんだから,私はいつも誰より品行方正に気を付けている。

あれは痛みは変わらないと聞くから,見てもされてもヴァンパイアでなく鬼の所業。

両親の癇癪になれてる子達は,いつもケラケラと笑いながら処されているのを見かけた。

止めてあげたいけど,ヴァンパイアの子達には大した問題じゃないらしく。

初めてだろうが常連だろうが,気にしてないように見えて,ちょっと戸惑う。



「腹ぁ減るんだよな,あれ。……このクラスで罰受けないの,浅海くらいじゃねぇの」

「そりゃあ,私は落ちぶれてる分点数稼いでますから。シュウ達のお陰で,なにもしなくても上がっていくから楽でいいよ」



私が人であることを知ってしまったハルは,少しだけ肩を揺らした。

うっかりほんの試しで,シュウが私を傷付けてみるかもしらないから。
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