ヴァンパイアガールズ
「……なら,人間がいいからこっちに? 追われたくないなら,なんでこんなエリート高の底辺層に? もっとましなとこ,絶対あったと思うんだけど」



だいぶ喋ってくれたんだから,これくらいは聞いても許されるよね?

そう素直な疑問を口にした。



「あぁ,それな。俺ん家,ずっとヴァンパイアのみで繋がれてきた血統書付きの家系だから。ヴァンパイアの中じゃ力が強ぇの」



人間を一切介入させなかった家,ということか。



「で,父親がそっちの思考だから,今俺はお前の方にいることになってる」

「え,まって。私の方って,ヴァンパイア? 父親に嘘付いてんの?! どうやって……」

「母親。あの人は若い頃相当遊んでるから,別に人間ならそれでいいんじゃね? って思考なわけ。俺を助けようとしてる訳じゃなくて,自分がそう思うから手を貸してくれてる」



ヴァンパイアでも力のある家,と言うくらいだから,見た目から雑魚っぽい学園長の口を封じるくらい楽勝だったんだろう。

そうまでして自分の立ち位置を確立したちはやに,なんとなく感心してしまう。
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