ヴァンパイアガールズ
ちはやは直ぐに反応して,両手をぐったりとさせた私の肩を支える。
変に気遣いの出来るヴァンパイアだ。
もう少しそれを活かして前にだして欲しいけど。
ふらふらと,私は立ち上がった。
「浅っ……お前,ヴァンパイアに散々歯ぁ立てられといて動けるとか,まじかよ」
「うるっ……さい」
棚の上に置かれた,鈍い金の色の宝箱。
小さなおもちゃは,何やら埃を被った紙を挟んでいる。
どきどきと,手を伸ばす。
少し動くだけでふるりと震える身体は,ちょっとなんとかして欲しい。
指の先が,紙に触れた。
少し硬い紙だった。
引っ張りると,はらりと埃を落としながら落ちてくる。
私は,しゃがんで。
両手で受け止めた。
「……あった,手がかり」
こんなところに。
私はポツリと呟いて,はは……と笑う。