ヴァンパイアガールズ
「……手伝って,ちはや」



謎解きは,1人じゃ寂しいの。

お兄ちゃんの残したノートを見るのは,凄く悲しかったの。



「そんな紙切れ,取り上げてぇくらいだけど。……分かった,それだけ協力する」



何を思ったのか,ちはやはより私にくっついて,真面目な顔で紙を覗いた。

私も,心を意識的に落ち着けて,集中する。



「 きょう |
  はとく |~_2…\+;&…1~:
  べつな |君がたどり着くまで,
  ひだよ |      ずっと待ってる」



今日は特別な日だよ。

恋人の日の事なんだろうか,でも多分,何の日だろうとあまり関わらない気がする。

もしかしたら,これを受け取るヴァンパイアだか人間だかにしか分からないメッセージなのかもしれない。

文字は4×5の全てひらがなで,両端がない。

本文と見られる所と,その不可解な文字列を見るに,こっちはヒントだと思われた。

この形,どこかで……

私は,ちひろがお尻にいれていたスマホをひったくって,メッセージを開いた。



「……おい」

「うるさい黙って」
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