ヴァンパイアガールズ
ただでさえ性に奔放なヴァンパイアが,これ以上他のヴァンパイアに取られまいとして同じヴァンパイアに告白するすることもある。

年に1度,恋人の時間がある日は,自分一人を見て欲しい,その気持ちを最大限伝えられる日なのだ。

ヴァンパイアにとって一世一代の大切な賭けに出る日。

荒ぶる恋に,浮きも沈みもあることだろう。

だけど,私にそんなことは関係ない。

人間かどうかが分かる。

ヴァンパイアの特性は,ただ人間かそうじゃないかだけをかぎ分けることだけど。

浮かれるどころじゃない,天敵みたいな日だ。

だって,違うとなったら必然的にヴァンパイア。

だけど私は,私は。

ヴァンパイアの瞳に映されたとき,間違いなく人間と認識されるはず。

どんなに技巧を凝らそうと,生まれまでは偽れない。

ずっと前から知っていた。

その日が,時間が……明日が,私の1つの運命の時。
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