ヴァンパイアガールズ
ふふふと笑って,サクラさんは私を見た。
その意味にまで,頭は回らない。
「最もヴァンパイアらしいことは出来なくて,どこの人間やヴァンパイアが目の前で傷つこうと気にしないくせに,たまに情けを抱くところも気持ち悪い」
「私は誰彼構わず,気に入った人間を直ぐ味見するところが気持ち悪いわ。でもそんなものよね,ヴァンパイアの家族愛なんて。私だけじゃなくて安心した」
「み,美海……?」
どうして突然,そんな話に持ち込んでしまったの?
「死んだら灰になってお仕舞いなの,想いなんて残らないし,ただの妄想かもしれないでしょ。むしろその子供を殺したいほど苦しかったかもしれない」
「何が言いたいの」
私を無視した美海の言葉に,サクラさんは涙声を鋭くした。
「だから,お姉ちゃんはその子供を見つけた時点で無駄なことせずに,殺せば良かったと言ってるの。お姉ちゃんが黙っていたせいで,浅海はこんなところのヴァンパイアを装って,友達なんか作っちゃって,結局ほんとの事を知っても知らなくても傷付いてる。駆くんが,妹とその子供を並べて,黙秘を取るとでも?」
その意味にまで,頭は回らない。
「最もヴァンパイアらしいことは出来なくて,どこの人間やヴァンパイアが目の前で傷つこうと気にしないくせに,たまに情けを抱くところも気持ち悪い」
「私は誰彼構わず,気に入った人間を直ぐ味見するところが気持ち悪いわ。でもそんなものよね,ヴァンパイアの家族愛なんて。私だけじゃなくて安心した」
「み,美海……?」
どうして突然,そんな話に持ち込んでしまったの?
「死んだら灰になってお仕舞いなの,想いなんて残らないし,ただの妄想かもしれないでしょ。むしろその子供を殺したいほど苦しかったかもしれない」
「何が言いたいの」
私を無視した美海の言葉に,サクラさんは涙声を鋭くした。
「だから,お姉ちゃんはその子供を見つけた時点で無駄なことせずに,殺せば良かったと言ってるの。お姉ちゃんが黙っていたせいで,浅海はこんなところのヴァンパイアを装って,友達なんか作っちゃって,結局ほんとの事を知っても知らなくても傷付いてる。駆くんが,妹とその子供を並べて,黙秘を取るとでも?」