幼なじみ、じゃない。


ーーーー…


「ーーそっかあ、幼なじみやめる、ねえ……」


「うん……」



「…………子供だなあ立花くんも」


「え?なんて?」


「ううん、なんでもない。……大変だったね」


「……うぅ…、もうどうしたらいいか分かんないよ……」


「日葵はずっと羽衣の味方だからね!」



ぎゅーっと抱き締めてくれて、日葵の温かさが伝わってきて胸がふわっと温かくなる。


……ちょっと胸、軽くなったかも。日葵が元気づけてくれたおかげかな。



「……ありがと、日葵」


「うん!」



ぎこちなかったけど、今日はじめて笑顔になれた気がした。


ーーー……


しばらく屋上で過ごしていると、一時間目の授業の終わりを告げるチャイムの音が聞こえた。


……あ、もうこんな時間だったんだ。



「……日葵、ごめんね」


「うん?なにが?」


「……授業サボらせちゃって」


「全然!そんなことよりも羽衣が心配だったもん!」



少しマシなった?と聞かれて、ゆっくりと頷く。


そうしたら、日葵はやわく微笑んでくれた。


……本当、ありがとね。



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