幼なじみ、じゃない。

花火の音でかき消して







「わっ、今の花火見た……!?」


「うん、見た」



無事に私たちは付き合うことになり、現在は夜空に打ち上げられる光を楽しんでいるーーー




「ハートの形だったよ!……って、ちかいよ涼…っ!?」



……はず。たぶん。


振り向くと涼の顔がすごく近くにあって、そんな距離に戸惑う私の顔は一瞬で真っ赤になる。



ほんとに、なんでこんなに近いの??



「ちょ、まって、涼…っ」



そのまま近づいてくる顔を、私は避けられるはずもなく。


目元にひとつ、額にひとつと、どんどん落とされていく唇。



「~っ、」


「可愛いなあって思って」


「へ!?」



突然の爆弾発言にぼんっと火が出てしまいそうなくらい熱くなる。


その間にも落とされていく感触は止まらなくて。ぎゅっと手は繋がれていて。




まるで「逃がさない」とでも言われているみたいに。



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