幼なじみ、じゃない。
こんな状況を見られてしまうなんて、恥ずかしくて死んでしまう。
だからもう止めて、という思いを込めたのに涼から発せられた言葉は想像とは正反対のものだった。
「……見せつけてればいいじゃん」
「……、へ」
「邪魔しないでね、って」
「……え、いや、私はそういうことを言いたいんじゃなくてーーーっ、んぅ」
最後まで言い切る前に私の口を塞ぐ君は、わざとなのか違うのか。絶対に前者だ。この男、全く私に言わせる気がない。
「……それに、みんな花火に夢中で俺たちに気づかないって」
「……あ、ぅ」
……それは本当なのだろうか。
そう考えているうちにも、どんどんキスは深くなっていくばかりで、必死についていくしかない。
なぜかじわりと悲しくもないのに涙が浮かんできて。
溜まっていく熱をなんとか逃がしたくて、涼の服をくしゃっと握る。
「……そっちじゃない、こっち」
「……へ」