幼なじみ、じゃない。
とける、夏休み
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「ーーちょ、涼近いってば……っ!」
「えー……そんなことないよ」
あるんだよ、それが。だって私、今どこに座っていると思ってるの?
涼の膝の上だよ?
加えてお腹に腕を回されちゃ、身動きが取れないから余計に困る。
じわじわと、顔に熱が集中していって。
「あ、照れた」
「照れてないもん……っ!」
「ふは、かわいー」
「~っ、もう……!」
ふわっと微笑まれては、もうおしまい。
「ーーーちょっとー!君たちふたりだけじゃないの分かってる?」
……ある意味、ね。
「ご、ごめん日葵……」
「本当!彼氏がいない私への当て付けか!なんだよこの甘すぎる空間はぁ~」
確かに。付き合ってからというもの、涼はずっとこの調子。
なんでも甘すぎるのだ。
今だって、違うクラスなはずなのに当たり前に私たちのクラスにいるし。
「……っわ、」
ぼーっと考えていると突然、背中に感じたこつん、と聞こえるような感覚。
ちら、と後ろを見ると、さらさらの髪の奥の甘えるような瞳と目が合った。
「……ちゃんとかまって」