LINE be good 7

7月 夏休み

 ん、ん、ん、ヒマだぁ…。なんもすることない。受験勉強もやる気0。もうこんな時間だし、誰かにLINE送ったところで返事もこないだろうし…。んー、、、

 あ、そうだ! 適当な名前のID検索して、そこにメッセージぶち込んでやろ!

 どんなIDがいいかなぁ…。あたしのIDはAI303だからぁ、うーん、、、
 
 aoiとかで検索してみるか。
 
 aoi aoi っと、、わっ結構たくさんいるなぁ。どのあおいちゃんにし、よ、う、か、な?

 



「AOI808」

 これだ!

 なんて送ろう…。ま、こんばんはでいっかw

 「あおいさん、こんばんは!」っと…。 
 
 そーーしーーーん!












 送ってから15分か、、、

 返信なんて来るわきゃないか…、深夜、ってか早朝4時だし、そもそもどこの誰かもわかんないやつに返信してくるヤツなんていないよねw
 
 アタシももう寝るか。うん、寝よ寝よ。








 「ブブッ」



 え、え?返信…来た…!?



 『だれ?』

 

 「今晩は、通りすがりの者です」


 『は?』

 「いやぁ、もうこんな時間ですし、てか、誰か起きてないかなぁ、、みたいな、、、w」


『は?そんだけでオレにLINE送ってきたっつーの?こっち今おもしろい映画みてたんすけど』

 「え、、アオイさんは男性なんですか」

 『そーすけど、それが?』

 「いやぁ、アオイさんなんて、女子っぽいなーなんて、、、(*ノω・*)テヘ」

 『わりぃかよ男でアオイっつーのが』

 「いや、全然良いと思いますよ!むしろカッコいいです☆」

 『ふ〜んてか、アンタは誰なんだよ』

 「え〜と、ワタシは愛ちゃんです!」

 『なーにが愛ちゃんだよ。ふざけてんの?』

 「いえ!全くふざけてません!ワタシ、本当に愛っていう名前なんです!栃木県に住んでる高3女子です!」

 『へ〜、田舎モンのJKなんだw』

 「田舎モン…って、、、じゃあアオイさんはどこ住みなんですか!」

 『そりゃ東京に決まってんじゃん』

 『そ、そんな栃木が田舎って程の距離でもないじゃないですか…」

 『そりゃ田舎だよ、なんつったっけ、あのいちご。そうそう、栃乙女だっけ?名産品。ガキんちょはそのいちごでも食べてさっさと寝ろし』』

 「ガキって…。じゃあアオイさんはいくつなんですか!」

 『オレ?オレはスタイリッシュな25だぜ』

 「別に17と25も、大して変わりないじゃないですかw」

 『うっせーんだよ!だから、25は25でも、スタイリッシュな25つってんだろ!』

 「へーwなんかオモロw てか、映画って何観てたんですか?」

 『レディプレイヤーワン』

 

 「え?!わー!ワタシも大好き!あの映画!今まで」20回は観ましたよ( ̄ー ̄)ニヤリ」

 『へ、?20回??オレなんて3000回は観てるぜ( ̄ー ̄)ニヤリ』

 「3000…、アオイさんてヲタクさんなんですか…?てか顔文字真似しないでくださいw」

 『ヲタクって…、まぁそうなんだろーよ、あの映画に関しては。レディプレイヤーワンて映画にはオレの夢の全てが詰まってるんだよ』

 「わかる気がします!バック・トゥ・ザ・フューチャーの車とか出てくるし」

 『デロリアンだろ?パーシヴァルが乗ってる車。オレはバック・トゥ・ザ・フューチャーも大好きだからね。オレの場合はそれだけじゃなくてな。アルテミスが乗ってる赤いバイク、AKIRAって日本の漫画の金田が乗ってるバイクなんだけどな。アレも好きだし、エイチが修理するヤツな。あとはシャイニングってホラー映画も好きだし、ダイトがラストあたりで乗るガンダムも好きだし、数えたら切りがないよ』

 「アオイさんてモノホンなんですねw」

 『モノホンって、どーゆー意味だよ』

 「いやぁwなんでもないっす(*ノω・*)テヘ」

 『つかJKが何でこんな時間まで起きてんだ?彼氏とケンカして眠れましぇんみたいな?w』

 「そんなんじゃないです!受験勉強デス!!」

 『うそくせぇなw何で受験勉強してる人間が、わざわざ何処の誰とも知らないオレに連絡よこすんだよw』

 「そ、、それわぁ、勉強しすぎて眠れなかったってことです!!」

 『ふ〜ん、勉強ねぇ。オレも高校の時は勉強やりまくってたな』
 
 「アオイさん、高校の時とか成績良かったんですか?!」

 『良かったつーか、高2の時、全国模試で7位になったことあるよ』

 「7位?!高2で?!」

 『おん』

 「じゃ、じゃぁアオイさんって、東大生とかだったんですか?」

 『や、まぁ、東大理3受かったけど行くのやめたw』

 「は?!理3って、東大でも一番難しいトコロじゃないですか?!なんでやめたんですか???」

 『オレ、医者目指してたんだけど、行く必要がなくなったんだよ』

 「医者??…なんで必要がなくなったんですか???」

 『オレの母親がさ、オレが中3の時、病気になってさ、そんでオレが医者になって母さんを治してやろうと思ってたんだよ。でも、オレが丁度東大の受験終わった日にさ、死んじゃったんだよ』








 「そ、それは、、、、ご愁傷さまです…。。。」

 『いや、もういいんだ、母さんの事はかなり引きずってたけど、最近なんとなくなんだけど、心の解決が出来てきたみたいだし。それに普通に大学も通ったしな』

 「え、東大蹴って、何勉強したんですか…?」

 『美術。T美術大学って知ってる?そこで油絵描いてたわ。まぁ一年浪人して入学したんだけどさっw』

 「T美術大学…。美大の中でもトップ大じゃないですか…。てかアオイさんが不思議過ぎる…」

 『不思議でも何でもないよ、オレ、子供の頃から絵描くのが好きでさ。好きっていうか、オレの姉ちゃんが絵描くの好きでさぁ。ま、絵っていうか、漫画な。その影響で。姉ちゃん今漫画家やってるよ』

 「…お姉さん漫画家さん?!有名なんですか?!」

 『まぁ、テレビドラマとか映画化とかされてるし、有名なんじゃねえの』

 

 「え誰?誰?」

 『んな個人情報みたいなの、どこの誰とも知らない人に教えられるワケないだろ』

 「まぁ、、、ですよねぇ、、、、てか、栃木の愛ちゃんデス…」

 『栃木の愛ちゃんなんて何千人もいるだろwしらねーけどwてかオレ、もう眠いわ』

 「あ、はい!おやすみなさいアオイさん!あの、、、もし良ければですけど、、、またLINEしてもいいですか…?」

 『ん、まぁ構わないけど。ナニナニ、栃木の愛ちゃん、オレに興味持っちゃったの?w』

 「興味っていうか…、なんか不思議な人だなぁって…。」

 『まぁそもそも人間とか動物、山や川や海、万物どれも全部不思議だらけだけどな』

 「んー、そういうのとはちょっと違うけど、、、またLINEしてくれるんですね?ありがとうございます!おやすみなさい!」

 『んあ、おやしみぃ』




 

 

 

 

 
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