私の弟はヴァンパイア。
「姉さん、ちょっと無防備すぎ」

「えっ?無防備……?」


そんなことないと思うけど……。


ポカンとしていると、千秋くんがソファから立ち上がって私の方へと歩いてくる。


「……キス、していいですか?」

「…………へ?」


今、なんて……?


もしかして、キス、って……言った!?


「な、なんで、どうして急に……!?」

「美味しそうで、たまらないんです」


ニヤリと微笑みながら、八重歯が見える。


「ちょ、ちょっと千秋く……!」


また……いや、今度はソファに寝転がるような状態で押し倒されてしまった。


なのに、怖いより何か変な感情がするこの身体に嫌気がさしていた———
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