私の弟はヴァンパイア。
一方千秋くんは困ったようにしながらも、全く目が笑ってない笑みを浮かべていた。


「あの、僕こういうの慣れてないんで……」


そう言うけれど、「うぶで可愛い!」なんて言われちゃって、余計に女子たちがキャーキャー騒いでいた。


ち、千秋くんまで顔色が悪くなってってる……!!


心配になって、私もあわあわしてしまい始めた。


そして急に腕を絡められる。


斜め上を見上げると、千秋くんがいた。


ん……?もしかして、千秋くんに腕組まれてる……?



「ごめんなさい……僕彼女いるんで」

「……へっ?」


つい、間抜けで変な声を出してしまった。


だって、これじゃあまるで私が彼女のようになっているから……。


びっくりして、目を丸めてしまう。


そして、ザッと女子たちの視線が私の方に向いた。


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