私の弟はヴァンパイア。
吸血するだけだからいいけど、誰かが来たら終わるな、あははっー……。


ガブッ


くだらないことを考えていると、首筋を舐められてから優しく噛みつかれる。


「ん……」


なんだか、前より痛くない気がする……。

千隼くんの吸い方、すごく優しいんだよなぁ……。


「桃乃……」

「ち、千隼くん……」


吸い終わった後、優しく首筋を舐められる。


「ひゃっ」

「終わり。ありがとう」

「う、うん、!?」


そして……優しく、キスされてしまったのだ。

おまけに手まで繋がれてしまう。


これじゃあ、まるで——カップルみたいだ。


誰も来なくてよかった、と安心したのも束の間。


ガチャン!!


ものすごい勢いで部屋の扉が開く。


しかも、まだキスしてる最中だ……!!


これはまずい!とくにお父さんとかだったら死んじゃう!!


「おい……何やってんだよお前ら……」


入ってきたのは……え、誰ですか?レベルに怒っている千秋くん……だった。


< 46 / 61 >

この作品をシェア

pagetop