私の弟はヴァンパイア。
「だってさ、元々好きな人がいたとするじゃん?」

「う、うん」

「その好きな人と付き合いたいと思ってて、で、好きな人の親と自分の親が再婚しちゃったとして、兄弟になったとしたって好きなのは変わらないじゃん」

「た、確かにそれはそうだけどさ……」


うーん……そっか、そう考えるとありなのかも……?


「まぁ、自分に素直になりなよ。話聞いてる限り、結構愛されてるじゃん?そんなに愛してもらってんだったら、大事にした方がいいと思うけどなぁ」

「うっ……わ、わかりました」


さすがモテ女……言ってる言葉の重みが違うっ……。


「そうそう、今日ね、転校生来るらしいよ」

「えっ、そうなんだ」


そんな話聞いてなかったな。


「本来なら朝来るはずだけどさ、なんか吸血鬼のお偉いさんらしくって、余裕で遅刻かましてるんだって」

「へ、へぇ……」


吸血鬼……。

もし千秋千隼くんに会って、喧嘩になっちゃったりしたらどうしよう……!!


吸血鬼の関係性とかわからないから、なるとは限らないけれど……なんだかとてつもなく、嫌な予感がする……。



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