私の弟はヴァンパイア。
あ、赤坂くんってクールな見た目して意外とチャラいっ……?


「ねぇ、相手は誰なの?」

「じゅ、授業中だしもう静かにしようよ」

「いいじゃん」

「よくない。あとは休み時間の時ね」

「ちぇ〜」


こうして一時会話に幕は閉じた。


だけど、授業が終わってすぐにまた話しかけられる。


「で、誰なの?」

「え、えっと……そんなに気になる?」

「うん、だってさ、その相手に了承もらえば、天沼さんの血飲めるでしょ?」

「……え?そ、そうなの!?」

「そうだよ。運命の相手がいようがいまいが、先に所有物として持ってる人に許可さえもらえれば同じ人間の血を吸ってもいいんだ」

「へ、へぇ……」


な、なんだか嫌なルールだな……。

それに私の場合ただでさえ2人いるのに3人になったらとか考えるだけで地獄だ……。


「……あ!桃乃さん!」

「この声は……千秋くんっ?」


後ろから声がして振り向くと、そこにはキラキラした瞳で私を見つめる千秋くんがいた。


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