私の弟はヴァンパイア。
「なので、異性ではなく特定の運命の人の血ではないと吸えなくて」

「そ、そうだったんだ……」


思ったよりも大変な事情があったんだなぁ……。

逆に2人とも、よくここまで血無しで生きて来れたな、すごい。


「だからつまり、千秋はこれはこれからも姉貴の血が欲しいんだと」


千隼くんにそう言われる。


「そ、そういうことになるよね……。うーん……」


ここで断ったら、可哀想……というか、命に関わる話かもしれない。


「わかった、これからもうちょっと優しくしてくれるなら……」


大切で唯一の弟だし……。


「本当ですか!?」


千秋くんが嬉しそうにキラキラした目をすら。


「う、うん」

「ありがとうございます!」


バッと両手を取られた。


「え、へへ……よかった」


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