ゾーイ・テイラーと魔王の側近
ティムとアーサーは嬉しそうに話す。扉が作られたとはいえ、一般人が気軽に使用できるようになるのはかなり先になるだろうと噂されているため、ルーチェからの誘いは二人にとって予期せぬものだったようだ。

「僕も異世界、緊張ももちろんしてるけど楽しみだよ」

講演で話す内容は、ルーチェたちが住んでいる世界についてである。ルーチェたちの住んでいる学校の様子や、魔王の生活、大まかな歴史なども話してほしいと手紙にはあった。

「歴史、勉強しないダメか?俺苦手なんだよな」

ルーチェが「歴史も教えてほしいってさ」と言うと、アーサーが渋い顔をする。そんなアーサーにティムが歴史書を見せた。

「そんな顔しない!みんなで勉強したら楽しいよ!」

「そうそう!一緒に勉強しよう?ちゃんと勉強しとかないと、異世界の人に笑われちゃうよ」

ルーチェもアーサーを説得し、アーサーは「わかったよ」と渋々椅子に座り直す。ルーチェが「問題を出し合おう」と提案し、ティムが問題文を読み上げていった。
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