ゾーイ・テイラーと魔王の側近
「みんな、ここまで一緒に研究をしてくれてありがとう。この扉を開けることができるのは、みんながいるおかげだ。ありがとう」

男性がそう言うと、「もったいないお言葉です!」と黒いローブに身を包んだ一人が言い、もう一人も「そうです!」と言う。

「我々はこの扉を開けることを目標としてきました。ですが、この扉を開けることは決してゴールではありません。始まりなのです!」

その言葉に男性は「それもそうだね」と笑う。しかし、その笑みはその場を和ませるような微笑みなどではなく、冷たい嘲笑のように見えた。

「一」

男性がカウントを始めた。全員に緊張が走る。

「二の三。……オスクリタ!」

「オスクリタ!」

全員が言葉を発すると、木の棒のようなものから黒い光線が飛び出して壁に当たる。轟音が部屋に響き、まるで雷が部屋にいくつも落ちたように目を開けていられないほどの光が部屋中を包み、部屋中がまるで嵐に遭った船のように激しく揺れた。
< 2 / 41 >

この作品をシェア

pagetop