ゾーイ・テイラーと魔王の側近
「今日は、僕たちの住んでいる世界について、そして僕たちの……仕事である魔王や魔王の側近などの話をしたいと思います」

クラルがそう言った時である。ロネの隣にいたゾーイの目が、まるで野生動物のように鋭くなる。刹那、ロネは強く腕を掴まれ、ゾーイの方に引き寄せられる。

「ロネ、危ない！！」

ゾーイが言った刹那、ロネが先ほど座っていた場所に大きな穴が空いていた。一瞬にして体育館が静寂に包まれる。ロネが真っ青な顔でゆっくりと上を見上げれば、体育館の天井には大きな穴が開き、そこからドラゴンのような羽を持った見たことのない怪物がこちらを覗き込んでいた。

「何だあれは！！」

誰かが大声を上げると、一瞬にして体育館はパニックに包まれる。我先にも体育館から逃げようとし、その混乱を嘲笑うかのように怪物は口から光線のようなものを出し、攻撃してくる。

「あれは、僕たちの住む世界のモンスターたちじゃないか！」

クラルが「どうしてここに！？」と驚きつつ、怪物の攻撃から生徒たちを守ろうと防御魔法の呪文を唱える。隣でルーチェも呪文を唱えていた。
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