ゾーイ・テイラーと魔王の側近

「ネイサン・サミュエルです。剣士の息子です。よろしくお願いします」

「ロネ・ガランテです！魔法使いです！よろしくお願いします！」

魔法使いもペコリと頭を下げながら自己紹介をした。最後は赤い瞳の少女だ。

「ゾーイ・テイラー。よろしく」

「クラル・ディスペアです。魔王をしてます。よろしくね」

クラルがニコリと笑って自己紹介をしたため、ルーチェたちも順番に自己紹介をしていく。自己紹介、そして各自食べたいものや飲みたいものの注文を終えると、ナタリーが興味津々といった様子で口を開く。

「体育館で、みんなすっごく強くてかっこよかった！特に最後の魔法！ドババババってあの怪物を一発で倒しちゃうところ、痺れたわ！」

「あんなにすごい魔法、どうしたら使いこなせるんですか？僕も強い魔法を使えるようになりたいです！」

ロネも目を輝かせ、ルーチェとクラルは顔を見合わせて微笑む。魔王とその側近という立場のため、内心悪い印象を抱いているのではないかとルーチェは少し不安を感じてしまっていたため、ホッとして口を開く。