ゾーイ・テイラーと魔王の側近
「実は、ずっと気になっていたことがあるんだ」

ゾーイがそう言った後に続けた言葉に、ルーチェたちは顔を見合わせる。そして、クラルが「八咫烏とリルに調べさせるよ」と真剣な顔で言った。



数日後の深夜、とある廃屋の地下室に一人の男性と数人の取り巻きが降り立つ。地下室には大きな木製の扉があり、その扉を見て男性はニヤリと笑う。

「さて、次はどんなモンスターが出てきてくれるのかな」

そう言い、男性が扉についたドアノブに触れようとした刹那、「ラクリマ！」という声がしたと同時に男性の体が扉から弾き飛ばされてしまう。

「な、何！？」

取り巻きたちが杖を構える。そんな中、ルーチェたちは素早く彼らの前に立った。

「こんばんは。あなた方が招待してくれた魔王のクラル・ディスペアです」

クラルが頭を下げて自己紹介をすると、ルーチェは「あんたが犯人だったのか！」と男性を睨み付ける。モンスターを解き放っていたのは、扉を使った創設者であるはずのエドワード・ブラウンだった。
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