ゾーイ・テイラーと魔王の側近

モンスターを解き放っていたエドワードと戦った後、ロネたちは事情聴取などで忙しく、ゆっくりと会う時間がなかなか取れずにいた。ようやく全てのことが片付き、ゾーイの家でお茶会をしようという話になったのだ。

「生えている木がやっぱり僕とクラル様が住んでいる森とは違うな」

植物を観察しながらルーチェは言い、ロネは「本当？見てみたいです」と返す。その言葉にルーチェは少し困ったような笑みを浮かべた。

あの事件の後、扉は閉じられることが決まった。ルーチェたちが帰った後、扉は閉められて二度と使えないようになるだろう。それをロネは知っている。

「そんな顔しないで。また会えるって思った方が、お別れが寂しくないから」

ロネはルーチェの肩にポンと手を置く。その様子をクラルは微笑みながら見ていた。

「ロネ〜！みんな〜！」

家のドアが開き、ゾーイが笑顔で手を振る。ナタリーが「ゾーイ！」と言いながら抱き付き、ロネが「ナタリーずるい！次は僕がハグする！」と頰を膨らませた。

楽しいお茶会が始まる。