ゾーイ・テイラーと魔王の側近
「へぇ〜、異世界かぁ」

扉を作り出すのには、相当難易度の高い魔術が必要だったに違いない。扉を生み出すまでに時間もかかっただろう。ロネは素直に「すごい」と感じてしまう。

(一人前の魔法使いになったら、こんなこともできるようになるのかな?)

ロネはついテレビ画面をボウッと見てしまい、母に怒られてしまった。



朝ご飯を食べて身支度を整えた後、ロネはかばんを手に家を出る。ドアを開ければ風がロネの髪を撫で、まるで「今日も一日頑張れ!」と応援しているように思え、ロネは微笑む。

「もう来てるかな……」

ロネは大切な人のことを考えながら歩く。親友や家族とは違った形で特別で、大切な一人の女の子のことを考えるだけで、ロネの心は高鳴っていく。

曲がり角を曲がって少し進んだ先にある街道が、ロネとその女の子の待ち合わせの場所だ。ロネが見ると、そこには黒い髪に赤い目の女の子がすでに待っている。瞳と同じ赤いワンピースのスカートが、ふわりと風で揺れた。
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