一途な気持ちは止められない

「そうじゃなくて、どうしてそんなピンポイントで吸えるの? ってことよ」


「まぁ、吸血鬼なんてUMAみたいな存在だからね。自分でも感覚でしか分からないし、そこの説明はできないなぁ」





 そう言いながら藍は夏菜子の頬を触る。




「ちょっと、教室の中だから、恥ずかしいよ」

「恥ずかしいって思ってくれてるってことは、俺の事好きになってくれたってことかな?」




 そう言って頬にキスをした。





「ちょっと!」




思わず大きめの声が出てしまう夏菜子。


「皆が見てるし、簡単にするようなものじゃないからやめてほしいってことよ!」


「大丈夫だよ、俺たちは付き合うってもう決まってるんだから。

 だって、俺がそう思っているから」


 藍は夏菜子の頭を撫でて、話を戻す。



「ということで、俺は少しずつ血を吸って、夏菜子は頑張って勉強する、そうしたらきっと授業で恥をかかなくても済むようになるよ」


恥って……まぁさらっと答えられるようになれば格好も着くかもしれないけど……。

 でもそれって、血が吸いたい理由をこじつけただけじゃないの……?
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