一途な気持ちは止められない
「ねぇ? 教えてほしいんだけど、どうして藍くんとそんなに仲がいいの?
転校初日から随分と迫られてたけど、何か色仕掛けでもしたの?」
色仕掛け……!?
思いもよらない台詞に夏菜子は身体を縮こませた。
「そんなことしてないよ、私だってびっくりしたんだから、何もしてないよ」
「そうなの?」
彩はそう言うとさらにイヤらしくにやけると言葉を続けた。
「もう気付いてると思うけど、藍くんを呼び出したのはあたしよ。
あたしだって、藍くんと仲良くなりたいんだから、独り占めされても困るのよね」
独り占めと言われても……夏菜子の方が攻め寄っているわけではない。
困惑の表情を見せながら夏菜子も反論する。
「仲良くしたいなら、普通に声を掛ければいいんじゃないの?」
「何よ、そんなこと言ったって、あなたたちがいつも一緒にいるから簡単に話しかけるなんて無理よ」
一瞬怒った表情を見せたが、彩はいやらしそうな顔をして夏菜子の座っているベッドに腰かけた。
夏菜子をゆっくりと舐めまわすように見る。
「ところで……、もうセックスしたの?」
「―――――!?」
一気に顔が赤くなる夏菜子。
「そ、そんなことしてないわよ!」
大きくなる声。
「そんなに否定するなんて、案外本当だったりして。どう? 気持ちよかった?」
「だから、何もしてないって……言ってるのに……」
恥ずかしさと苛立ちで感情がおかしくなり、泣きそうになる夏菜子。