一途な気持ちは止められない
―――きっとこれでいいんだ。
何かの噂を広げられたら自分も悲しくなるし、藍にも迷惑が掛かる。
きっとこれでいいんだ……――。
それからしばらくの間。同じような朝が続き、藍との時間を取れなくなった夏菜子は常にHRぎりぎりに登校するようになっていた。
放課後も彩とその友人がすぐに藍を囲んでしまい、夏菜子は別の彩の友人からカフェに行こうと誘われる毎日。
――――藍くんと話がしたい……。
溺愛され続けた、少しうんざりする生活が。
毎日じゃなくてもいいんじゃないかなって思っていたキスが。
『大好きだよ』と言う言葉が。
少なくなって、減っていって、無くなっていく。
もう一人じゃ無理……。だけどこんなこと相談できる本当の友達なんて居ない。
どうすればいいの……――?