一途な気持ちは止められない
『久しぶり! 今日の放課後カフェに行かない? 俺も一緒だよ』
「こ、こんな、こんなフレンドリーな感じで送っちゃったのぉ!?」
「フレンドリーって、少し前まで一緒にカフェに行ってたんだから、問題ないと思うんだけどな」
そう言って、にやりと笑って楽しそうな藍。
『ポロン』
夏菜子のLIMEが鳴った。
簡易通知が画面に一瞬映る。
恐らく彩からの連絡だろう。
「どうしよう、一瞬中身見えたけど、よく読めなかった。」
夏菜子はスクリーンを見て固まっている。
否定的な返事を見てしまうことを恐れてLIMEを開けないでいる。
「ほいっと」
藍がスマホを再び奪い、勝手に中身を見てしまった。
藍が内容を呼んでいる最中の短い沈黙が、とても長い長い沈黙のように思われる。
ふと、藍が夏菜子の頭を撫でた。
目の前でスマホ画面を表示させている。
「見てごらん」
藍から渡されたスマホには、思いがけない言葉が書いてあった。
『あたしも誘いたいと思ってた。今日、行こうね、約束だよ』
よかった――――……。
心から嫌われていたわけじゃなかったんだ。
本当に友達になりたかっただけだったのかもしれない。
だとしたら本当に不器用なお誘いだ。夏菜子よりも友達を誘うのが下手かもしれない。
今日、確かめよう。