一途な気持ちは止められない

「いらっしゃいませ、3名様ですか?」


 店員に案内されて、3人揃ってボックス席に座る。


 もちろん、藍は夏菜子の横だ。


 彩は席に座ってからも頭を下げたままの状態だ。


「渡邉さん、もういいから、私も友達になれたらいいなって思ってたけど、びっくりしたけど、ちょっと悲しかったけど……謝ってくれたから」


 ようやく顔を上げる彩の表情は反省と謝罪の表情がにじみ出ている。

「あたしも友達になりたかったんだ、藍くんと。

 それと、藍くんと一緒に話してる夏菜子ちゃんが、見たことないくらい可愛くて、どんどん可愛くなっていって、友達になりたかったんだ」


 運ばれてきたお冷を一口飲む彩。


「でも、ひねくれた自分が出てきちゃって、失敗しちゃった。

 無理だとはわかってるけど、2人と友達になりたい……な……って」


 夏菜子と藍は顔を見合わせる。


 ほっとした顔を見せて、


「藍くんの言うとおり、同じこと考えていたんだね」

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