一途な気持ちは止められない

次の目標まで



「俺たちも3年生だな」


 藍は椅子の背もたれに体重をかけて、ゆらゆらと椅子を揺らしている。


 相変わらず、図書室の片隅で勉強会をしている。


 今までと違うことは、そこに彩も一緒にいるということだ。





「こんなに真剣に勉強してたなんて、吸血されなくても頭は良くなってたんじゃない?」


 彩は驚いた顔で机一面に広げられたテキスト類を見ながらそう言った。


 相変わらず英語の苦手な夏菜子のために、今日も英語のテキストを開いて勉強を始めようとしていたところだ。



「でも、頭の悪くなる血を吸い取ってくれてたから、頑張れたんだと思うよ」


 そう言いながら、夏菜子は単語帳をせっせと作っている。


 そんな夏菜子の横顔をじっと見つめている藍。


 その視線に気づいた夏菜子はいつものことだと思いながら藍に声を掛ける?


「何?」


「夏菜子、それ本気で信じてたの? 今までずっと?」

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