エリート御曹司は“運命の番”に理性が効かない。


 ***


「お待ちしておりました、社長」

「あぁ、久しぶりだな……だが、お前からの社長呼びはなれないな」


 まず本店に向かうと出迎えてくれたのはここ本店の店長をしている一応同期のやつだ。俺も一般社員から始めたため研修も一緒にやった。最初の配属先が俺も本店だったから、気の知れた数少ないやつだ。


「そういうことを言うな、……では社長、ご案内しますね」

「よろしく頼む」


 本館にあるのがうちの百貨店の店だ。婦人服や紳士服を始めたファッション系統のお店や化粧品フロアに雑貨屋さんやリビング用品の生活に欠かせないお店があり、宝飾・美術品などの富裕層をターゲットにした高級感あふれる店が並んでいる。


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