エリート御曹司は“運命の番”に理性が効かない。
順に回っていき、最近出来たばかりの新館の方を見たりして本店から出た。それからも、三つの店舗を周り視察をした。
「社長、直帰でいいですか?」
「あぁ……そうだな、マンションへ――」
戻るように言おうと思ったのだが、何か自分のフェロモンが何かに反応したように甘い香りが、した。
「社長、どうかなさいましたか?」
「いや、なんでもない……なぁ、浬。少し歩かないか」
「え? ……は? お前どうした」
畏まった言葉をやめてタメ口にすれば、浬も同じくタメ口になる。