エリート御曹司は“運命の番”に理性が効かない。
◇番、と言われましても。
志野谷さんが言うところの福利厚生というものが終わり、私は用意された部屋で志野谷さんと向き合っていた。
「そのボンボンショコラ、美味しいだろう? 腕のいいショコラティエに作らせたんだよ」
「美味しいです、甘くて……紅茶も、チョコの甘さに良く合っていてとても美味しいです」
「よかった」
この紅茶、香りもいいし甘いものとよく合っていて本当美味しい。
「愛さん。そろそろ、話しをしようと思って今日はお茶の時間を作ってもらった」
「はい、そう聞いてます。それに、どうしてこうなっているのか分からないので知りたいです」
「もちろん、今から話したいのは“番”のことだよ。姉さんが少し言ったんだろ?」
「あ……はい。そうです、少しだけ」
お姉様が言ったのは『番の力』ってだけだし、私もよくわかっていない。