エリート御曹司は“運命の番”に理性が効かない。



「本当にすまなかった。だがこれで確実に番だと分かったんだ。最新技術でも再度調べてもらって九十九%、運命の番で間違えないと結果も出ている。これなんだが……」


 志野谷さんはスマホの画面を見せると、検査結果というタイトルの下に病院名と臨床検査技師さんの名前が書かれている。
 その横に、志野谷さんの名前と私の名は分からなかったためか【No name】と書かれていた。


「……わかりました。ですが、整理がついてないので少し一人にしてくださいますか?」


 彼の番として生きるのは、決定事項なんだろう。それでもここで流されたように頷きたくはなかった……まぁ、オメガ性だからか何かに惹きつけられているような感覚もあるのだけど。


「そうだよな。分かった……何か用があったら呼んでくれ。今日は、屋敷にいるから」

「はい、わかりました。ありがとうございます」


 私がそう言うと、志野谷さんは立ち上がってこの部屋から出て行ってしまった。出て行ったドアを見つめながら私は、ため息を吐いてしまった。



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