エリート御曹司は“運命の番”に理性が効かない。
「……うまくいったみたいね、葉月さん」
「チーフ! はい!」
かごを片付けていると、島田チーフに声を掛けられた。
「あの子、きっとまた来てくれるわよ。嬉しそうに紙袋持ってたし、笑顔だったから」
「本当ですか? そうなればいいなぁって思います」
また、来てくれるといいな。その時も私が接客できたら嬉しいな、と思った。それに……志野谷さんのことも覚悟を決めなくてはいけない。