エリート御曹司は“運命の番”に理性が効かない。
その期待通り、完璧な御曹司になったわけだがそれの副作用なのか女が寄ってくるようになった。そういう香りが出ているんだろうと思うからそれはどうにもならないことはわかっていて……小さい頃から嫌だった。
彼女らが寄ってくる理由は、この香りとこの顔や御曹司という肩書きだ。学校で習った『運命の番』なんて信じてない。
「……はぁ」
お祖父様が用意した相手と政略結婚というものをするんだろうなと思っていた。
そんなふうに将来をぼんやりと眺めていた……高校生の時、今まで体調を崩すこともなかった自分が高熱を出した。
とても苦しかった。だけど、解熱剤も何も効かなかったが、翌日には下がった。医者はアルファだからと言っていたけど、今もこれはなんだったのか原因は分かっていない。
でも、今まで経験したことのない何か変わった感じが体に感じた……何かを得たみたいなそんな感じが。