ハツコイ
第一章

新たな世界

 児童養護施設に入って、一ヶ月がたったある日。三人家族が私達の前に現れた。
 「俺、この子と兄妹になりたい。」
と、男の子が言った。
 後に、私達兄妹は見事に、その家族に引き取られることになり、家族の一員となった。
 
 「こんにちは。私は、神井(かのい)葉南(なみは)と言います。よろしくね。」
 ・・・コクン
 この人は、この家族の母の、神井 葉南、さんらしい・・・。
 「僕はこの子の父の、神井 尤瑪(ゆば)だ。これからよろしくね。」
 ・・・コクン
 「俺は、神井 風蘭(らぜ)。よろしく。・・・名前、、教えて、?」
 ・・・
 「い、、や・・・。」
 ・・・
 「ぼくは、月海(るの)だよ。」
 「そっか。わかったよ。多分なにか事情があるんだろうから。」
 「、、じゃあさ、俺が、名前つけてあげるよ。」
 っ、、
 「どう、して・・・?」
 どうしてそこまでしてくれるんだろう。今までの人なら絶対理由を聞いてくるのに・・・。
 「君と仲良くなりたいだけだよ。」
 っ、
 「・・・ありがと、っ・・・」
  
    *
 
 「・・・」
 「・・・ねえ、流石にずっと見られてるの、恥ずかしいんだけど・・・」
 風蘭はなぜかずっと私を上から下まで見つめ続けている。
 「ああ、ごめん。相手のことをしっかり知らないとさ、一番いい名前つけれないかと思って・・・」

   *
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