君と一緒に花火が見たい
「ここが浮葉が行きたかったお店」
目の前にはメルヘンチックなお店が。
「実は恋華ちゃんと陽夏ちゃんに来て欲しい服があるの」
「でも私には似合わないよ」
「陽夏ちゃんに似合うのあるから!お願い!」
「うぅ…恋華ちゃんはやる?」
「まぁ…楽しそうだからね」
「じゃぁ…やる…」
「やったー!ありがとう!どうしても3人で服を着て写真を撮りたかったの!」
浮葉ちゃんが喜んでくれるなら頑張ってみよう!
「いらっしゃいませ〜ってあら浮葉ちゃん友だちもつれてきたのね」
「はい!あのロリータ服3着お願いします」
「分かったわ似合うのを選んでくるからそこの席に座って待っててね」
あの机と椅子可愛い…!
「陽夏ちゃんと恋華ちゃんは何頼む〜?」
「え?ここカフェなの?」
「多分そんなところだと思う。結構色んなことやってるんだよこのお店」
へぇ~病院にいたとはいえこういうような店もあるなんて知らなかったな〜。
「コラボのプリンのお城とソーダのお城とかのお姫様シリーズが私のおすすめ。本当に美味しいんだよ!」
「え!プリン!…食べたい!」
プリンはおばあちゃんがくれた時に食べてみてとっても美味しくて大好きなものになった。
「陽夏ちゃんはプリン好きなんだね~。恋華ちゃんは?」
「私はこの抹茶のやつ」
「オッケー。夢さんプリンのお城と抹茶のお城とスイーツのお城をください!」
「は〜い。ちょうど服とかも用意できたから作ってる間に来てみてね」
「夢さんありがとうございます!」
「いいの、いいの私が好きでやってるんだから」
本当にいい人だな。
「まずはロリータ服を着ようね」
そういって私には黄色の色を恋華ちゃんには水色を渡して、浮葉ちゃんはピンク色のロリータ服を持っていた。
「これを着るの…?」
これなんかふわふわだし可愛いしなんか私には似合わないよ〜!
うぅでも着るって言っちゃたし…。
ここは我慢して着替えよう。うん!
「えーっとここはこうかな?いやでもここがなんかおかしくなっているし」
なんやかんやで着替えおわった。
「恋華ちゃんと浮葉ちゃんすごく似合う…」
今さっきいた席に戻るとロリータ服を着こなした二人が!
「私この領域にいていいの?」
「何いってんの?陽夏も元気っ子って感じで似合ってるよ」
「本当に!?」
「本当だよ。陽夏ちゃんとっても似合ってる」
「お世辞でも嬉しい〜!」
「まぁそう思ってくれていいよ」
「そうだね」
二人共なんか諦めたような顔してる?
「あらあら〜!3人ともよく似合ってるわよ!ちょうど注文されてたのもできたし一回写真とってもいいかしら?」
ふふっ。なんか最後だけキリッってなる夢さん面白いな。
「いいですよ」
「やったー!じゃぁそこのバエスポットに移動してね」
夢さんがバエスポットと言っていたところはとても可愛らしいセッテングをされていた。
「恋華ちゃんは手を顔の近くにこう置いて、陽夏ちゃんは手を大きくバンザイする感じで写真ポーズするときに撮ってくれない?」
「別にいいよ〜」
「私もそれくらいなら」
「本当にやってくれるの?!嬉しいな~!これでまた夢がかなった…!」
「よーしカメラ持ってきたからそこにたってね」
ちゃんと指定されたところに立つ。
「じゃぁいくよ。1たす1は…」
「「「にいぃ〜!」」」
しっかり浮葉ちゃんに言われたポーズをした。
「これは…やばいわ…」
「夢さん、写真なにかおかしかったんですか?」
「いやおかしいってわけじゃなくてこれほどの出来はジュエリーなみだわ」
「ジュエリー?」
「ジュエリーは有名なコスプレイヤーの二人がいてその二人がとてもキラキラかがやいているからついたあだ名がジュエリーなんだよ」
へぇ~。
「私もネットとかで見たことある。ジュエリーの二人の投稿をした人のいいね数が一日で100万再生50万いいねを超えるくらいの人気を誇ってるわ」
「そんなに影響力がある人達なんだ〜」
「うん!コスプレ界ではジュエリーが頂点に立つほどなんだよ!だから私も憧れるな~!」
「浮葉ちゃんならきっと大丈夫だよ!」
「えへへありがとう!頼んだパフェ食べよう」
「うん!」
「「「いただきます!」」」
「美味しい〜!まさに神が産んだ最高傑作!生きてるうちにこんなに美味しいものに出会えるなんて…!」
「っ…ふっはは!陽夏ちゃん大袈裟だよ〜」
「本当に美味しいんだって食べてみてよ!」
浮葉ちゃんに美味しいことを証明しようとスプーンを差し出した。
「美味しい!これはこれで美味しい!」
「でしょ!」
美味しさを知ってもらえて何よりだ。
❅•❅•❅
「「「ごちそうさまでした」」」
「夢さん美味しかったです!」
「そう言ってもらえて嬉しいわ。お願いがあるんだけど今日撮った写真投稿してもいい?」
「私は構いませんよ」
「本当!チーム名とか決めちゃう?」
「チーム名…」
「フルーツとかスイーツとか?」
「甘いものの名前…パフェとかでもいいよね」
「…スイーツパルフェは?」
「それだ!」
「いいね!私達スイーツパルフェです!」
「うんうん!いいと思うわ。じゃぁスイーツパルフェの三人で投稿するわね」
「「「はい!よろしくお願いします!」」」
「ではまた来ます!」
「えぇぜひいつでも来てね。待ってるわ」
「はい!」
夢さんに手を降ってお店をでた。
「私たちネットに挙げられるんだよね?大丈夫かな?」
「大丈夫でしょ?」
「陽夏ちゃんも恋華ちゃんも可愛かったので大丈夫ですよ!逆にファンが大量にできちゃうかもよ?」
「いやそんな事ないでしょ」
「あるかもよ?」
「ふふっなんて疑問形なの?」
「「「ははは」」」
三人一斉に笑った。本気で笑ったのは久しぶり。
「じゃぁ明日には有名になってるかもね」
「有名になってたらいいね」
「そうだね~」
私達は軽く考えすぎていた。
まさか…まさか…
「ほんとに人気になってる?!」
学校に恋華ちゃんと浮葉ちゃんと一緒に登校をしたところまでは良かった。自然がいつもより多いのは気のせいだって思ってた。
だけど教室に入った瞬間。
「ねぇねぇ!ベリーに載ってたのって陽夏ちゃんたちだよね」
「見たけどすっごく可愛かったよ!」
「あれってお姫様シリーズだよね!」
これってもしかして…。
「恋華ちゃん、浮葉ちゃん…なんか有名になってる?」
「そうだね」
「夢さんのアカウント人気だったからすぐにわかったのかも」
「夢さんそんなに知られた人だったの!?」
「うんほら…すぐに出てくる」
「本当だ…まさか昨日の冗談が現実になるなんて…」
「それに関しては私もびっくり」
恋華ちゃんもびっくりするんだ…。
「ふふっ陽夏ちゃん顔に出てるよ」
「え?本当?」
「えぇ陽夏は顔に出やすいから気をつけたほうがいいよ」
「気をつけないようにしないと!」
「あのお取り込み中悪いんですけど写真撮らせてください!」
「え?」
「ずるい!私だって写真撮らせてほしい!」
「僕だって!」
あわわ!どうしよう…どうやって止めたら…。
「おい…邪魔…」
この声は
「蛍くん!ごめんね!」
そうして蛍くんはすぐに自分の席に向かっていった。
「蛍くん…」
「氷の皇帝が喋った…!」
え?
「いや蛍くんも普通に話すででしょ?」
「それが氷の皇帝は本当に話さないのよ」
「え?うそ」
「恋華ちゃんの言う通りなんだよ〜声が聞けるなんてレアだよ」
なんかすごい蛍くん尊い的な感じになっている?
「それより氷の皇帝のお陰で一旦騒ぎが収まったわね」
「本当だ!みんな蛍くんの話題ばっかり話してる!」
「まさか氷の皇帝が助けでてくれた?」
蛍くんが助けて…?
「そうだったら嬉しいな…。」
「うんうん!きっとそうだよ!」
とにかく蛍くんが私達のことを助けてくれただなんて嬉しいな〜!
「よし!蛍くんと一緒に花火が見れるように頑張るぞ!」
「あんまり張り切りすぎないようにしないとうさがられるよ?」
「恋華ちゃんそんなこといわないてよ〜」
「ふふっ私達は陽夏ちゃんの事、応援しているから頑張ってね!」
「うん!頑張る!」
それから私は蛍くんに毎日話しかけていった。
いないときとかもあったけどめげずに頑張って2週間あと期限はあと1週間それまでに蛍くんと一緒にお祭りに行く約束をしなければいけない…。
けど……。
ある日
『蛍くん!お祭り一緒に行こ!』
『……』
またある日
『蛍くん!お祭り『無理…』』
『そっか…』
またまたある日
『蛍く『無理』』
『話くらい聞いてくれてもいいじゃん~!』
『……』
『…酷いな蛍くん…』
なんか蛍くんと二人で花火見るの無理な気がしてきた。
「あっ!蛍くん!」
「……」
「陽夏今日も無視されてるじゃない」
「うん…」
「もう諦めたら?」
「でも私は…」
「そうだ!またつきあってよ!」
心配させてしまっている事がわかる。
できるだけ元気に笑顔で…。
「…うん!いいよ!」
「あのね夢さん新しい着物を入荷したんだって」
「着物?!すごいね…!」
「だから今日は恋華ちゃんと陽夏ちゃんと一緒に着物を着て写真撮りたいな〜って思ってるの!」
「スイーツパルフェの出動だね!」
「そうだね!」
❅•❅•❅
「やっぱり3人ともさいっこうに可愛いわ〜!」
「ありがとうございます!」
「そういえばお祭りがあっるけど浮葉ちゃん達はどうするの?」
「私はないですよ」
「私もないです」
「私は…その…一緒に行きたい子はいるんですけど……」
「その子が一緒に行けないって」
「まぁそんな感じです…昔"約束"って言ってたのにな〜」
「陽夏…」
「陽夏ちゃん…」
「あれ?なんか涙が…目にゴミでもはいちゃったのかな」
「無理しないでいいのよ」
夢さん…今はその行為に甘えよう。
「その子…蛍くんとは病院の中での唯一の友達でした。毎日が楽しくて…楽しくて…。私普通の子みたいに学校にすら行けなくて…なんで私だけって思ってたんです」
「うん…」
「そんな私にとって明るく接してくれる蛍くんは私にとって…太陽でした。そして蛍くんが退院するときに約束したんです…一緒に花火を見てくれない?って…」
「それなのに氷の皇帝は人違いだと言っただったね」
「うん…私がその約束をするかわりに蛍くんからも笑顔でいること約束してねって言われたけど……その笑顔でいることすらできないよ…」
なんで蛍くんは忘れちゃったの?
そんなに私は蛍くんにとって記憶がなくなるほど嫌いなやつだったの?
「……あぁ〜!もう!」
「恋華ちゃん?」
「陽夏がこんなに氷の皇帝の事思ってるのになんであいつはあんなに陽夏を避けるのよ!私がクレーム入れてくる!」
恋華ちゃん…嬉しいけどそんな事したら星ノ宮財閥から怒られるよ…。
「恋華ちゃん、それは駄目だよ。もういっそ私達3人でお祭りに行こうよ!氷の皇帝なんて一回忘れよう!お祭りは楽しい気持ちでやるのがいいんだから!」
浮葉ちゃん…。
「ふふっありがとうみんな」
「そうと決まったらお祭り当日には私のお店にまた来てね!とびっきり可愛いくしてあげるわ!」
「夢さんありがとうございます」
「陽夏ちゃん、恋華ちゃん!一緒にお祭り楽しもう〜!」
「そうよ浮葉も言っていたけど一回あいつのことなんて忘れて私達でたのしみもう!」
「…うん!」
本当に二人に会えて良かった…。
本当は蛍くんと見たかったけど今回は諦める。
だけどこれでお祭りは終わりじゃないから蛍くんと一緒に花火を見れるときまで私は諦めない!