エリート外交官は契約妻への一途すぎる愛を諦めない~きみは俺だけのもの~【極上スパダリの執着溺愛シリーズ】
ヴァローリ議員との会食は日本大使館の仕切りで行われることになった。イベントに合わせて会食の場もローマ市内の和食料理店を借り、日本人のシェフに腕を振るってもらった。
関係者とその配偶者やパートナーがそろうと三十名ほどの会食となった。なお、ヴァローリ本人は離婚歴があり、公式の場に連れてくるパートナーはいないそうだ。
『生の魚はあまり好きじゃないが、スシは嫌いじゃないな』
ジャコモ・ヴァローリは実際会ってみると、気さくにも思える男性だった。偉そうにふんぞり返っている議員を想像していたが、自分から率先して会話を盛り上げている。口ひげを蓄えた笑顔も恰幅のいい体格も、親しみやすい好人物に思えた。
『カガヤ、今回は面白そうなイベントをありがとう。日本人の心とイタリア人の心はきっと近しいものがある。ワダイコの響きで、私たちはもっと仲良くなれるよ』
『ありがとうございます。ヴァローリ先生のお力で、多くの人が楽しめるイベントになると思います』
『任せておいてくれよ。私はこう見えて少し偉いんだ』
わざと傲慢なことを言ってみせるのもチャーミングに見える男性だ。現在の政権トップと反目しあっているというのが嘘の情報ではないかとすら思える。目の前にいるのは陽気なイタリア人紳士だ。ヴァローリに近しい後輩議員や党の人間と親しくなる予定だったが、意外にも本人がいち大使館職員に好意的な態度を示し、近づいてくるのだ。
関係者とその配偶者やパートナーがそろうと三十名ほどの会食となった。なお、ヴァローリ本人は離婚歴があり、公式の場に連れてくるパートナーはいないそうだ。
『生の魚はあまり好きじゃないが、スシは嫌いじゃないな』
ジャコモ・ヴァローリは実際会ってみると、気さくにも思える男性だった。偉そうにふんぞり返っている議員を想像していたが、自分から率先して会話を盛り上げている。口ひげを蓄えた笑顔も恰幅のいい体格も、親しみやすい好人物に思えた。
『カガヤ、今回は面白そうなイベントをありがとう。日本人の心とイタリア人の心はきっと近しいものがある。ワダイコの響きで、私たちはもっと仲良くなれるよ』
『ありがとうございます。ヴァローリ先生のお力で、多くの人が楽しめるイベントになると思います』
『任せておいてくれよ。私はこう見えて少し偉いんだ』
わざと傲慢なことを言ってみせるのもチャーミングに見える男性だ。現在の政権トップと反目しあっているというのが嘘の情報ではないかとすら思える。目の前にいるのは陽気なイタリア人紳士だ。ヴァローリに近しい後輩議員や党の人間と親しくなる予定だったが、意外にも本人がいち大使館職員に好意的な態度を示し、近づいてくるのだ。