エリート外交官は契約妻への一途すぎる愛を諦めない~きみは俺だけのもの~【極上スパダリの執着溺愛シリーズ】
「菊乃、そのメモにはなんと書かれていた?」
「え? メモに、ですか?」
俺の様子の変化に、菊乃が狼狽した様子で答える。
「のぞき見になってしまわないようにほとんど見てませんけど。ルース島と書かれていて……あとはイニシャルみたいなアルファベットと数が……」
ルース島、やはり先ほどの話に関連するメモだ。菊乃が触れた情報は、内容次第ではかなり大きな意味を持つ。
「ごめんなさい、ほとんど思い出せないです。ちらっと見えただけで」
菊乃は視線をうろうろさせ、小首をかしげ、一生懸命思い出そうとしたあとに俺にそう言った。菊乃の話も併せて、真野室長に報告を入れよう。
一方でぞっとするような事実も感じていた。この状況は菊乃を巻き込んでいる。
「ほかに何か覚えていることはあるか? 少しでもいい」
鬼気迫る俺の様子に、菊乃があきらかにたじろいだ。困惑したように俺を見つめ、それからこくんと喉を鳴らすのが見えた。
「博已さんの……お仕事にかかわるんですか?」
「ああ、大事なことなんだ」
「博已さんの本当のお仕事ってなんですか?」
俺ははっとして菊乃から離れた。菊乃の瞳が不審に揺らいでいたのだ。
巻き込んだ上に、不信感を与えてしまった。
隠し通そうとして、菊乃は納得するだろうか。そんなことをすれば、いっそう菊乃は俺を信じられなくなるのではないか。
「……家で話そう。もう少し待っていてくれ」
それだけ言って俺は菊乃から離れた。会食に集まった参加者を見送らなければならない。
ヴァローリの秘書は菊乃がイタリア語を話せると知っている。その上で、メモを見られたと思っているのだ。ヴァローリに犯罪者としての顔があった場合、菊乃の立場は明らかにまずくなった。
「え? メモに、ですか?」
俺の様子の変化に、菊乃が狼狽した様子で答える。
「のぞき見になってしまわないようにほとんど見てませんけど。ルース島と書かれていて……あとはイニシャルみたいなアルファベットと数が……」
ルース島、やはり先ほどの話に関連するメモだ。菊乃が触れた情報は、内容次第ではかなり大きな意味を持つ。
「ごめんなさい、ほとんど思い出せないです。ちらっと見えただけで」
菊乃は視線をうろうろさせ、小首をかしげ、一生懸命思い出そうとしたあとに俺にそう言った。菊乃の話も併せて、真野室長に報告を入れよう。
一方でぞっとするような事実も感じていた。この状況は菊乃を巻き込んでいる。
「ほかに何か覚えていることはあるか? 少しでもいい」
鬼気迫る俺の様子に、菊乃があきらかにたじろいだ。困惑したように俺を見つめ、それからこくんと喉を鳴らすのが見えた。
「博已さんの……お仕事にかかわるんですか?」
「ああ、大事なことなんだ」
「博已さんの本当のお仕事ってなんですか?」
俺ははっとして菊乃から離れた。菊乃の瞳が不審に揺らいでいたのだ。
巻き込んだ上に、不信感を与えてしまった。
隠し通そうとして、菊乃は納得するだろうか。そんなことをすれば、いっそう菊乃は俺を信じられなくなるのではないか。
「……家で話そう。もう少し待っていてくれ」
それだけ言って俺は菊乃から離れた。会食に集まった参加者を見送らなければならない。
ヴァローリの秘書は菊乃がイタリア語を話せると知っている。その上で、メモを見られたと思っているのだ。ヴァローリに犯罪者としての顔があった場合、菊乃の立場は明らかにまずくなった。