エリート外交官は契約妻への一途すぎる愛を諦めない~きみは俺だけのもの~【極上スパダリの執着溺愛シリーズ】
結婚式の準備は本格的になってきた。週末は菊乃とドレスの試着に行き、翌週末はフィレンツェの実際の教会に行って、プランナーと打ち合わせをした。イタリア人のプランナーは女性で、英語で打ち合わせができるなら外国人でも結婚式のプランニングが可能ということだ。
当日の流れなどを打ち合わせ、時間があったのでフィレンツェのクリスマスイルミネーションを眺めて帰路についた。ローマ、フィレンツェ間は一時間半ほどだ。

こうした準備の間に、俺はホリデー前の大きな仕事の詰めに入っていた。
着任してからの交流事業の報告をイタリア政府の文化事業における有識者たちの前にするのだ。さらにその内容は事前に日本大使館内でも報告し、最終的には外務省に報告書類を提出する。こうしてやることを並べれば、たいしたことではないようにも思えるが実際は膨大なデータに囲まれ毎日ぎりぎりまで資料を作るはめになっている。
和太鼓のコンサートは大きなイベントではあったが、それ以外にもこの四ヶ月弱、様々な計画やイベントをこなしてきた。それらを正式な文書にし、質疑応答も含めてまとめるのはなかなか骨が折れる。
イタリア語はほぼ理解し会話できるが、専門的な会話になると少々不安でもあるので、そういった準備も必要だ。

さらには結婚式ではささやかながら菊乃にサプライズを用意している。その準備は家でできないため、仕事の帰り道に時間を作って手配をした。菊乃に喜んでもらえるなら痛くもかゆくもない。
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