エリート外交官は契約妻への一途すぎる愛を諦めない~きみは俺だけのもの~【極上スパダリの執着溺愛シリーズ】
お土産をたくさん持って向かったマルナカ弁当本社には、会いたかった人たちが集まってくれていた。

「菊乃ちゃん、おかえり。まあ、お腹がふっくらしてきて」
「いつ産まれるの?」
「ご主人イケメンね〜!」

まずは圧すら感じるパートの和田さんたちのお出迎え。博巳さんを紹介するのが初だから仕方ないよね。
次に清原さんたち店舗のアルバイトスタッフたちが集まってきた。清原さんは学校卒業とともにアルバイトを辞めていて、現在は大手健康食品会社の研究室にいるそうだ。

「菊乃さん、おめでとうございます! 赤ちゃん、男の子ですか? 女の子ですか?」
「清原さん、ありがとう。まだわからないんだ」

性別は前回イタリアの病院で見てもらったときはわからなかった。転院予定の日本の産院に行くのは来月なのでそのときにわかるのではないかと思っている。
男の子でも女の子でも、博已さんに似たら高身長の美人に違いない。

「菊乃さんがママになるなんて。嬉しいですよ~」
「一緒に働いていたのはほんの三年前なのに、なんだか時間の流れが速く感じるよね」

そんな話をしていると、伯父と伯母がようやく近づいてきた。

「菊乃、身体は問題ないか?」
「伯父さん、伯母さん、おかげ様で赤ちゃんは順調です」
「おまえには迷惑ばかりかけちまったから、俺たちにできることはなんでもする。おまえが嫌じゃなければ、頼ってくれよ」

おずおずといった様子で言う伯父を恨んでなどいない。誤解は三年も前に解けているし、伯父と伯母にお世話になった過去は消えないのだ。

「はい。赤ちゃんが産まれたら会いに来ます」

笑顔で言って頭を下げた。
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