エリート外交官は契約妻への一途すぎる愛を諦めない~きみは俺だけのもの~【極上スパダリの執着溺愛シリーズ】
「きみの仕事ぶりを知り、きみを信頼したいと思っている人間がここにいます。俺と来てくれませんか?」

彼女はずいぶん困ったような顔をし、言葉に迷っていた。

「あの……本当に私で……いいんでしょうか。男性とお付き合いしたこともないので、うまくお役目が果たせるかもわからないです」

男性と交際経験がない。そんな初心な女性だったのかといっそう独占欲が湧いてくる。その気持ちを必死に抑え、俺は彼女の目を見つめた。

「いいです。きみがいい」
「わ、わかりました。お引き受けしたいと思います」

ようやく頷いてくれた彼女を前に、俺はガッツポーズをしたい気持ちを抑えた。

「小枝さん」
「はい」
「下のお名前とスマホのIDをうかがってもいいですか?」

ガッツポーズ替わりの言葉は本当に気が利いていなかったと我ながら思う。



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