エリート外交官は契約妻への一途すぎる愛を諦めない~きみは俺だけのもの~【極上スパダリの執着溺愛シリーズ】
夕食は部屋で宅配を頼んだ。食事を囲んで改めて挨拶をする。
「加賀谷博已です」
「小枝菊乃です」
「今年、三十五になります」
「私は五月で二十五歳です」
こんな基礎情報から公開し合う私たち。年齢は十歳違い。彼からしたら子どもに見えないだろうか。
「あの、菊乃って呼んでもらえませんか?」
「ああ、そうさせてもらいます。俺のことも名前で呼んでもらえたら」
「ひ、博已さん……」
「……菊乃。ええと、できたら敬語も徐々になくしていく方向で」
「え、ええ! そうですね!」
向かい合って自己紹介も照れるけれど、名前を呼び合うのはもっと照れる。敬語はやめていくのは同意だ。でも、年上で元お客さん相手ではなかなか難しそう。私はゆっくりペースでお願いしたい。
「確認します。私は三年間の任期中、博已さんの妻として一緒にイタリアで暮らせばいいんですね」
「そうです……、ええと、そう。現地の住まいは用意してくれるので、日本と変わらずに生活できる。同じように日本から来ている職員の家族会などに参加してもらうこともある。パーティーやイベントでは、俺の妻として参加する可能性もあると思っていてほしい」
たどたどしい口調で言う彼。契約期間は今が三月なので三年間プラス五ヶ月といったところだろうか。私は不安に感じていることを口にする。
「あの、パーティーや公的な場でのマナーや振る舞いが心配です。私、ナイフやフォークがたくさん出てくる料理の経験がなくて」
博已さんは少し考え、「マナー講習が受けられるように手配するよ」と答えた。
それから博已さんは、出前してもらったカレーハウスのパックを開け、私にも食事を促した。このままあれこれ話しているうちに夕食は冷めてしまうだろう。私もテイクアウトパックのオムライスを開ける。
「加賀谷博已です」
「小枝菊乃です」
「今年、三十五になります」
「私は五月で二十五歳です」
こんな基礎情報から公開し合う私たち。年齢は十歳違い。彼からしたら子どもに見えないだろうか。
「あの、菊乃って呼んでもらえませんか?」
「ああ、そうさせてもらいます。俺のことも名前で呼んでもらえたら」
「ひ、博已さん……」
「……菊乃。ええと、できたら敬語も徐々になくしていく方向で」
「え、ええ! そうですね!」
向かい合って自己紹介も照れるけれど、名前を呼び合うのはもっと照れる。敬語はやめていくのは同意だ。でも、年上で元お客さん相手ではなかなか難しそう。私はゆっくりペースでお願いしたい。
「確認します。私は三年間の任期中、博已さんの妻として一緒にイタリアで暮らせばいいんですね」
「そうです……、ええと、そう。現地の住まいは用意してくれるので、日本と変わらずに生活できる。同じように日本から来ている職員の家族会などに参加してもらうこともある。パーティーやイベントでは、俺の妻として参加する可能性もあると思っていてほしい」
たどたどしい口調で言う彼。契約期間は今が三月なので三年間プラス五ヶ月といったところだろうか。私は不安に感じていることを口にする。
「あの、パーティーや公的な場でのマナーや振る舞いが心配です。私、ナイフやフォークがたくさん出てくる料理の経験がなくて」
博已さんは少し考え、「マナー講習が受けられるように手配するよ」と答えた。
それから博已さんは、出前してもらったカレーハウスのパックを開け、私にも食事を促した。このままあれこれ話しているうちに夕食は冷めてしまうだろう。私もテイクアウトパックのオムライスを開ける。