エリート外交官は契約妻への一途すぎる愛を諦めない~きみは俺だけのもの~【極上スパダリの執着溺愛シリーズ】
「きみが辞めたと聞いてどうにか会えないかと年配の女性店員に聞いたんだが、教えてもらえなくて。当たり前だよな。それでもあきらめきれなくてどうしようかと思ったときに、彼女がこっそり店から出てきて教えてくれたんだ。今なら菊乃が本社にいるって」
そういうことだったのか。私が辞めた直後なら、おそらく伯母がシフトの穴埋めをしていただろう。清原さんは、私と博已さんが仲良く話していたのを知っていたからだ。
「すまなかった。ストーカーじみたことをして」
「清原さんだって博已さんの顔を知っていたから教えたんですよ~。個人情報を教えたわけでもないですし、私は博已さんと会えなかったら路頭に迷っていたので助かりました」
「彼女にお礼を伝えていなかったと思って」
考えてみたら、私も辞めて以来清原さんに連絡していない。同期と思えるくらい近しい仲だった同僚だ。しかも、博已さんとの再会では一役かってくれている。
「私も御礼を言いたいです。今日は水曜なので、彼女はいると思います。社員もいるかと思いますが、お客としていけば嫌な顔はされませんし」
それに博已さんが遭遇した伯母は、あくまでピンチヒッターだっただろうから、今日はいないはずだ。
「そうか。それじゃあ、職場を出るときに連絡する。店の近くで落ち合おう」
「ええ、わかりました」
博已さんを見送り、家事を始め、そこでようやく気付いた。
私、清原さんに博已さんとのことをなんて説明したらいいんだろう。表向き結婚するわけで……。婚約者?
第三者に私と博已さんの関係を説明するのは、今日が初めてになるのだ。
博已さんと並んで「結婚します」って言うの? 突然お客さんと結婚するなんて言ったら驚くに違いない。考えるだけで、かーっと頬に熱があがるのを感じる。
「変な顔しちゃいそう」
とりあえず清原さんが今日シフトに入っているのを確認するために、私はメッセージアプリを開くのだった。
そういうことだったのか。私が辞めた直後なら、おそらく伯母がシフトの穴埋めをしていただろう。清原さんは、私と博已さんが仲良く話していたのを知っていたからだ。
「すまなかった。ストーカーじみたことをして」
「清原さんだって博已さんの顔を知っていたから教えたんですよ~。個人情報を教えたわけでもないですし、私は博已さんと会えなかったら路頭に迷っていたので助かりました」
「彼女にお礼を伝えていなかったと思って」
考えてみたら、私も辞めて以来清原さんに連絡していない。同期と思えるくらい近しい仲だった同僚だ。しかも、博已さんとの再会では一役かってくれている。
「私も御礼を言いたいです。今日は水曜なので、彼女はいると思います。社員もいるかと思いますが、お客としていけば嫌な顔はされませんし」
それに博已さんが遭遇した伯母は、あくまでピンチヒッターだっただろうから、今日はいないはずだ。
「そうか。それじゃあ、職場を出るときに連絡する。店の近くで落ち合おう」
「ええ、わかりました」
博已さんを見送り、家事を始め、そこでようやく気付いた。
私、清原さんに博已さんとのことをなんて説明したらいいんだろう。表向き結婚するわけで……。婚約者?
第三者に私と博已さんの関係を説明するのは、今日が初めてになるのだ。
博已さんと並んで「結婚します」って言うの? 突然お客さんと結婚するなんて言ったら驚くに違いない。考えるだけで、かーっと頬に熱があがるのを感じる。
「変な顔しちゃいそう」
とりあえず清原さんが今日シフトに入っているのを確認するために、私はメッセージアプリを開くのだった。